在ベトナム日本大使館と在ホーチミン日本総領事館は10月2日、両在外公館で11月1日からベトナムの訪日観光客を対象に、電子ビザの発給を開始すると発表した。
発給する電子ビザは、観光目的の15日以内の短期滞在で、1回の入国のみ有効なシングルビザに限り、ベトナムに居住しているベトナム旅券所持者を対象とする。また、電子ビザの発給は個人の旅行者には適用せず、今後、パッケージツアーを催行する指定旅行会社(注1)のうち、準備が整ったところから順次開始する予定だ。
電子ビザを発給されたベトナム人は、日本入国時に空港で「査証発給通知書」をモバイル端末上の画面に表示させる必要があり、PDFデータやスクリーンショット、プリントアウトでの提示は認められていない。ビザ申請の詳細については在ベトナム日本大使館のホームページに掲載している。
ベトナムから日本への訪日客のさらなる拡大に期待
日本政府観光局(JNTO)の統計によると、ベトナムから日本への2019年の訪日外客数は49万5,051人に達し、過去最高となった(注2)。新型コロナウイルス流行時に落ち込んだものの、2023年1~8月の訪日外客数は39万6,600人を記録し、2019年同期の数値を上回る回復を見せており、ベトナムからの訪日客のさらなる拡大が期待される。
現地旅行会社からは、「今回の電子ビザ発給開始に伴い、団体ビザの申請手続きがし易くなる。円安の影響により、日本のパッケージツアー料金が相対的に安くなっているため、より多くの旅行客を引きつけるだろう」といった意見が寄せられている(VNエクスプレス10月5日)。
(注1)両在外公館では、訪日団体旅行を主催し、かつ、参加者に代わってビザ申請を行うベトナムの旅行会社を「指定旅行会社」として登録する制度を運用している。
(注2)2019年の訪日ベトナム人のうち、観光客は17万3,936人、商用客は3万9,615人、その他の客(観光、商用目的を除く)は28万1,500人。ベトナムからは留学、技能実習生を含むその他の客の割合が多い点に留意が必要。
出典:https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/10/de34e0077017d5a9.html